勉強のしかたを身につける、のその前に

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なぜ「中学に向けて」準備をするのか

11月から中学準備コースの指導を開始する予定です。
早い時期から中学入学を意識した勉強を進めてもらいたい理由・目的は、
第一には、成績のため。
長期的には、進路選択の幅を広げるため。
現状の評価指標はよくも悪くも、1年生から定期試験で点数をとることが受験でも有利に働きます。
このことは正しく認識しなければいけません。

勉強のための時間を生活の中に設定できますか?

中学入学を控えて何より重要なこと。
それは、そもそも生活の中に勉強のための時間が当たり前にあるかどうか、
あるいは、勉強が選択肢になる余白のような時間があるかどうかです。

勉強のしかたがわからない、の前にしかたの工夫などほぼいらない基礎的練習をしていない、という例も実は珍しくありませんが、
そもそも勉強に向き合えない、さぁ勉強しなさいとなってもすぐには机に向き合うことが格好だけになることもあります。
中学受験を経験した生徒さんたちとはこの点が大きな差になりやすいことも、
できれば保護者様には認識しておいていただくのがよいだろうと思います。

中学準備コースの大きな狙いは何か

中学入学の前につまづく要素を可能な限り取り除きたい。
また勉強のしかたを身につけておきたい。
こうした観点が中学準備コースの方針でもあります。
当塾では日頃から習慣に焦点を当てて指導にあたり宿題も出しています。
その中で勉強への取り組みかたの基礎も習得していくことができます。

(コツコツやれば学力が積み上がっていくのは当たり前で、何事も遅すぎることはないのと同じく早ければ早いほうがいのは間違いない。
また例えば1年生の1ヶ月で出来た周囲との差を2年生の1ヶ月で埋めることができるかというと、
同じ効果をむしろ難しい、もっと時間がかかる場合も珍しくないことは理解しておかないといけない。)

机に向き合う体力がありますか?

机に座り勉強に使う時間をとれている、
だけれどもそれが格好だけになっている、
つまり効果的な学習につながっていない、
ということの原因は分析していけばいくつもあります。

学習に楽しさを見つけることができない場合には、塾や学校などの責任も大きいでしょう。
もっともっと単純に、慣れないことは疲れやすいということもあります。
自宅での学習、授業ではない主体的な学習、
そうした時間や体験に慣れていないと、
学習に没入しようとする前に疲れてしまって、
別のことを考え出したり手混ぜをはじめてしまったりという現象につながります。
このときお子様本人が、積極的にさぼろうと思っていなくても、しかたなくそうなるのです。
勉強に向き合う頭の基礎体力の重要性をあなどってはいけません。

計算や言葉に触れることへの心理ハードルを低くしておきましょう

またこれは小学生や中学生に限った話とも限らないのでしょうが、
何かしら自分の能力を高めようというときに、
いわゆる「お勉強」だけを別で考えるような態度の生徒は少なくありません。

慣れないことは難しく感じる、という話とつながりますが、
初めてのことには、当然、慣れるのに時間がかかります。
それがそのまま苦痛になることも多い。
(ここが楽しい、になるかどうかはそれこそ教育関係者の手腕もあると思います。)

中学生は、数学の文字式や英語のアルファベットなど「使って」新しい知識を学んでいきます。
知識を理解するのにも、もちろん練習する場面だけ考えても、計算力や語彙の蓄積はあればあるだけ望ましい。
計算や漢字、用語の言葉に触れること自体のハードルが高い、
つまり、アルファベットの読み書きであったり、固い表現になじみがないと、
内容とは関係のないところでなんだか難しい気がしてしまうので学習につまづきやすくなります。

楽しみながら考える習慣をつけておこう。

考えるというのは実はすごく疲れることです。
疲れる、という壁を乗り越えるのに必要なことは単純には2つあると考えています。
自分がしたいと思うか、やらなければならないと思うか。
(強制されるという方法もありますが自立した学習という観点では除いておきます。強制力が成長のある段階では必要な場面もあると思いますが。)

自分がしたいと思うのは、端的には楽しいこと、あるいは好奇心。
やらなければならないと思うことは、端的には自分に必要だと納得していること、あるいは習慣。
基礎学力を支えるのは「考える体力」であり「考える習慣」だと思います。
机に向かい考える機会を増やし、それを楽しみながら取り組む。
そうした一つの契機として中学準備コースが役割を果たせればよいと思います。

中学準備コースを通じて、
また当塾での指導全体を通じて、
生徒の学習に向かう体力を養い、学習に向き合う精神を鍛え、
そうした基本姿勢のうえに、学習のしかた・工夫を身につけていけるように、
お子様が成長することを目指していきたいと考えています。