テストは自分の学習のために「使え」!

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(この記事は過去のものを再掲載しています。)

定期試験中の中学校と高校が多い先週と今週。
定期試験、とは少し話がずれるのですが、
このところ生徒の様子を見ていて、
気になっている、
小テストへの取り組みかたについて書いていみます。

出町アカデミーでテストをするのは「できる」を増やすため

出町アカデミーではなるべく、毎回の指導のはじめに確認テストをしています。
大きな目的は生徒に「できた」の経験を積んでほしいから。
前回は難しかったけど今回はできた。
宿題で復習したからできた。
小さなできたの積み重ねが自信につながっていくのだと思います。

入試は制度。日々のテストは学習の一環。

ところで本来テストは学習者のためにあるわけではありません。
入試のように生徒を選別するためのものでもありません。
入試には選別以外の意図ももちろんあると思いますが、
仕組み上、それが主たる役割であることは間違いありません
一方で、日々のテストは学習の一環です。
高い点数を取ることは目的ですらありません。
正しく取り組むかどうかで学習全体の効率も変わってくるものなのです。 

テストはカリキュラムの設定のためにする

テストは本来、生徒の習熟度を指導者側が確認するためのものです。
指導がうまくいっているのか、
知識の伝え方や進度、カリキュラムが正しいのか、
復習が適切に行われているのか、
テストの結果から判断するわけです。 

テストができないのは先生が悪い?

本来的な意味からすれば、
テストで点数が取れるのは指導者側のやり方がうまくいったからです。
逆に、テストで点数が取れなければ、
それは指導者側のやり方に問題があるのであって生徒の責任ではありません。
もちろん、「教える」やり方ではなく「指導」や「学習方法」を含めたやり方を指します。
宿題をこれだけしよう、という約束を無視した生徒について責任があります。
(とはいえ、宿題をしないこと自体、指導者として決するべき課題なのです。
生徒が宿題をしないこともやはり、
指導に問題があるから、
させることができない、
してもらえない。
学習者が課題を解決できないのはすべて指導者の責任であるのだ、
とこれは講師としては肝に銘じておかなければならないことだと思います。) 

テストができなくても気にしなくていいけどどうせならやり方を考えよう。

前置きが長くなりました。
ここまではテストってできてもできなくても本当は生徒さんは気にしなくていいよ、という話。
できていたら続くようにしよう!
できていなかったら継できるようにしよう!
それだけ。
でもせっかく取り組むなら結果を出せるやり方にしたいですよね。
じゃあどうしたらいいかという話をしますね。
それが本題。 

テストは覚えるためにやる

まずテストは記憶を定着させるために重要です。
学習していない内容についてのテストであっても、
テストをしてから学習するとその学習効を高めることができます。
また、人の記憶は思い出す作業の時に、より定着するのでやはり復習としてのテストは効果的です。
テストの時に思い出せなくても、なんだったかな、と思い出そうとする訓練が大切です。
思い出したときの、あーそうだったという経験も記憶の定着に重要です。
そう、テストは覚えるためにやるのです。
逆に、暗記したいことがあれば、テスト形式で練習するのが効果的です。
無駄に繰り返し書いて練習することはやめましょう。 

理解を深めるためにやる

読めばわかるけれど自分では書けない、ということはよくあります。
実際に声に出したり、文章として書くのはただ内容を読んだり聞いて理解する(そのつおりになる)段階のうえにあります。
テストをすれば自分の理解がどの段階にあるのか整理することができます。
また、テストは直しをしっかりやりましょう。
間違いはなぜ間違ったのかを書きだし、
混同していた知識を確認して整理することで理解は深まります。

目標をもって取り組む

テストで点数をとることは目的ではありませんがよい目標になります。
何点を取れるような勉強にしよう、と決めましょう。
7割解く勉強と8割解く勉強は違います。
99点でいいと思っている人と100点取ると思っている人の勉強は違います。
小テストは満点を取るつもりで勉強しましょう。
ミスをなくすにはどのくらいの勉強時間や反復が必要なのか知っておくことを勧めます。
どのくらいの努力量がどの程度の結果につながるか意識して学習できている中高生は以外と少ないのです。
ですからその点を意識して勉強するだけでも周りとの差になってきます。 

できたことを評価しよう

100点取るつもりで勉強して、実際に100点取れなくても落ち込む必要はありません。
繰り返しですが、点数が取れない責任は基本的には指導者側にあります。
生徒の立場からは、できたことに喜んでください。
できたことが少しでも増えることが大切です。
できたことが増えないという場合も、継続して気を付けることができたことを大切にしましょう。  

自分にたくさんの〇をしてあげながら学習を続けることが大切です。

テストはあくまでのその一部です。
できることが増えるのは成長ですから喜んでください。
ただし、できるできないはあくまで参考なのです。
気にしすぎる必要は全くありません。
これからのテストにどう取り組み、学習をどう良くしていくかが大切です。
次のテスト、それが小テストでも定期テストでも、
よりよい準備をすることで学習全体の質を上げていきましょう。
頑張ってください。

 (文責:古川恭平 2021年10月10日)


ご一読ありがとうございました。