まとめノートはつくるな!(つくるなとは言っていない)

この記事は約6分で読めます。

お子様はまとめノートをつくっていますか?

成績上位の生徒は別にして、

あるいは勉強時間が多い生徒も別にして

基本的に、「まとめノートをつくる」「授業ノートをまとめる」のはお勧めできる勉強法ではありません。

まとめノートはつくってもいい

「つくるな」と書くと、批判もあるでしょう。

ノートのまとめ方を紹介している本や、

ウェブ上の記事を見たことのある人や、

それで勉強が上手くいっている人からは、

この人は勉強方法がわかっていないんだな、

と思われるのかもしれません。

確かに「つくるな」は極端かもしれません。

ものごとをまとめる、

これは、

ものごとを理解するために確かに大切な作業のひとつです。

それでも、ほとんどの生徒さんに対して、

つくるな、

と私は言いたい。

その分、勉強時間は増やせ

まず、ほとんどの生徒さんは必要な勉強量を消化できていない、

と私は考えています。

いやうちの子は毎日4時間の勉強時間を確保しています、

という方はこの話を無視してもらっても構いません。

ただ、まとめる作業には時間がかかりますよね?

そこに時間をかけるなら、問題集をさらに1回解くことに時間を使ったらどうですか、と私は思います。

演習に時間を割け

部活、その他の課外活動や習い事、学校の宿題、

たまには遊び。

つまるところ、学生生活は忙しい。

時間をかけて、より深い学習にしたいのなら、

ノートまとめをしてもいいでしょう。

しかし、限られた時間の中で結果を出すなら、

まとめる時間よりは、

演習、繰り返しの復習に時間をかけたほうがいいと思います。

できるようになることが大切

まとめノートをつくるかどうかの前に、ちょっと待てよ、と。

その勉強は何が目的か考えてみてほしいのです。

問題を解けるようになることが一番大事なはずです。

宿題が溶けて、試験で点数が取れなければいけない。

もちろん、勉強・学習の意義はそんなに狭いものではありませんが、

中学生や高校生にとっては超重要な点です。

何かができるようになるには基本的には繰り返しが必要です。

それは勉強だけでなく、

運動を含め、技術を習得することにおいては共通することです。

繰り返すという視点から言えば、

まとめノートは決して必要とは言えません。

その勉強にかける時間はそもそも必要か問題(必要ではない!)

まとめたら理解できるんです、

という生徒も中にはいます。

実際にそういう感覚があるのでしょう。

しかしはたして、

まとめることは、理解するために本当に必要なことなのでしょうか。

もっというと、

本当の意味で「まとめ」ることができるならすでに理解できているはずではないでしょか。

ノートをまとめている生徒の様子を見ていると、

こっちの方がそれでいいのかしらと不安になることがあります。

まず、テキスト読んでませんよね?

まとめページはもちろん、解説ページをざっとでもいいので読みました?

それを抜きにして、

ポイントがまとめてあるページや授業ノートをきれいに書き写すこと、

それを、まとめノートと呼んでいる生徒の方が多い、というのが実感です。

こだわらずに他おの勉強法を試せ

既にあるテキストのまとめページに書き込んだり、

解けなかった問題にポイントを書き込んだり、

その方が速くありませんか?

そういう別の方法を試して、

それぞれ、どのくらい時間がかかるのかも試して、

それでも、やっぱりまとめノートが必要だ、

と言うのであれば私もやり方を任せて見守りたいと思います。

勉強時間が増やせないならやめろ

ちゃんと「元データ」であるテキストを読まず、

それを咀嚼する作業を抜きにして、

なんちゃってまとめノートをつくることは、

はっきり言って時間の無駄です。

自分で情報を整理して、理解する、

その作業の一環としてならまとめノートは有効でしょう。

それを見ながら勉強することもやはり効果的かと思います。

しかし、この一連の作業にはどうしても時間がかかります。

全体の勉強時間を増やすなら、

あるいは、

もともと十分ならまとめに取り組んでもいいでしょう。

そうでないなら、

やり方を変えることです。

勉強したつもりになる勉強をやってはいけない

時間をかけて、

ノートをつくって、

体力をつかいますし、

目に見えるノートという成果物も出来ます。

さぼっている意識はきっとありません。

しかし、取り組み方によっては、

まとめノートは、結局のところ、さぼりと大して変わらない、

そう私は思います。

さぼるつもりはない?、なら、やめておこう

さぼっているつもりはきっとないでしょう。

ノートを作る生徒さんのほとんどが一生懸命に取り組んでいる、

これは分かっています。

しかし、時間を使いすぎている、

気付いたらノートを作る単純作業に陥っている、

そんな場合さえあるのではないでしょうか。

まとめノートを作った後に、

まとめた内容を3~5つ言えるか試してみてください。

何を書いたっけ?となるようでは「つもり」になっているということです。

一生懸命に勉強しているのが分かるからこそ、

やめておけ、と思います。

その勉強方法は時間を無駄にしていないか

厳しいかもしれませんが、

大事なことなので、繰り返します。

理解する作業をさぼったノートまとめ。

これは時間の無駄です。

勉強した気にはなります。

また、書くことが理解の助けになることも間違いではないので、

まとめたらできるんだ、という感覚は確かにあるでしょう。

ただ、もっと速く効率的な方法を試した方が絶対にいいです。

そして、ほとんどの人にとってはそういう、

より効果的な方法があると私は思っています。

何のためのまとめノートなのか

まとめノートにこだわりたい人もいるでしょう。

ぜひ、まとめノートを何のためにやっているのか、

もう一度考えてみて下さい。

学校の課題になっているのかもしれません。

それでも時間は削るべきです。

実際に理解の助けになっているのかもしれません。

他の方法ではだめなのか試してみてください。

理解するためのノート。

情報を整理するためのノート。

見返すためのノート。

それらは代わりの方法が絶対にあります。

学校の先生、塾の講師、書籍、ネット。

ちょっと聞いたり調べれば別の方法はすぐに見つかるでしょう。

こだわる意味が本当にあるか、よくよく考えてほしいのです。

自分に合っている、それはつまり、結果につながるということ

最後に、自分に合った勉強方法なのだ、と

お子様がそうおっしゃるときの注意を一つ。

自分に合った勉強方法、

それはつまり、

やりやすい勉強方法、取り組みやすい勉強方法、

ではありません。

結果が出る、点数につながる方法。

それがその子に合った勉強方法です。

(もちろん継続できるかどうか、それもひとつの要素ではあります。)

取り組みやすいからといって、

時間を無駄に使っていては、

結局のところ結果にはつながりません。

友達や先輩に聞いて、気に入っている勉強方法も、

「それはあなたにとって結果につながる効果的な方法なのか」

という視点で評価させてみてください。

そうだなのだ、というなら任せてみるのもいいでしょう。

その代わり結果を出す責任も持たせましょう。

そうではないかも、というのであれば別の方法を試させましょう。

その子に「合った」勉強方法は必ずあるものです。

(文責:古川 2020年9月15日)



ご一読ありがとうございました。