隣のお嬢さんの成績がよい理由

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「お母様がほめたより、もっとほめたくなるA子さんの成績報告」

「めちゃくちゃすごいな。」


これは私の第一声。


手にしているのはA子さんの成績表。


どの科目もまんべんなく好成績。

「すごいですよね。」


これは彼女の答え。


自分で言っちゃうかあと思いながら、


本当にただただすごいので素直にほめました。

ほめすぎたか、やはり大げさだったか。


「お母さんより褒めてくれる」


という彼女の感想は、「盛って」くれたのでしょうか。

私はそれくらいには褒めて良かったと思っています。

「努力をしている子は褒めましょう」

彼女は遅くまで残って自習をしていきます。


自分が納得するまで質問をします。


必要な努力を必要なだけ重ねることのできている生徒の一人です。

A子さんのお母様はきっと十二分にほめてあげたはずです。


ただ、毎回好成績だと慣れてしまう、ということはあるかもしれません。


保護者様の中に、

もしも「うちの子を最近ほめてないかも…」と思われる方がいたら、


試験結果や成績が良ければもちろん、

悪くても頑張った様子に対して、

お子様をほめすぎなくらいに褒めてあげてください。

「まずは話を聞いて、言われたとおりにやってみる素直さが成績を伸ばす」


A子さんの個性や特徴のいくつかは成績が良い生徒さんに共通しています。

その一つは素直であること。


きちんと人の話を聞いています。


指示されたことを「まずはやってみます」と答えてくれます。

こちらのアドバイスをただただ実行する、

というわけではありません。

まずは「うんうん」と相槌もしながら

講師の話を聞いています。


講師の話をまずは受け止めようという姿勢を感じます。


そのうえでわからなかったことはわからないと言い、

さらに聞いてくれます。


違うのではと思ったらそう逆に指摘をする。

そういう積極性もある姿勢です。

「人の話を聞くと効率的に勉強を進められるから成績が上がる」


人から言われたとおりにやる、


ということと、


指示をただ待ち、受け身でいる、


ということは違います。


言われた通りにやってみる、というのは謙虚さです。


自分がまだ知らないことに素直に向き合う姿勢です。

「講師は学習の経験者。生徒にとって勉強の大先輩。効率のいい学習の案内人。」


生徒からすれば講師は学習の経験者です。


学ぶ、と言うことに対しては大先輩です。


試行錯誤を否定するつもりは全くありませんが、


不要な失敗を避けたければ案内人に聞くのが効率的です。

「講師VS参考書ではなく、参考書の内容に講師の見方をプラスできるかどうかが大切」


例えば、参考書に書いてある解き方と講師の説明が細かいところで違ったとします。


(講師はその違いまで含めて

解説をすべきですが時間のないときもあります。)


このとき生徒が、

①まずは講師が説明したやり方でやってみよう、と考えるか、


②講師のやり方はわかったけれど、

 参考書のやり方でやってみよう、と考えるか


あるいは

③講師のやり方は間違っているんだ、

 参考書を真似しよう、と考えるか。

①と②の違いがでるのは

講師側の(指導の)問題かなと思います。


ですから①が②の発想であれな、

私は問題ないと思います。


②と③はどちらも

参考書に沿った学習なのですが

③の発想を持つとすれば残念なことです。


参考書の表面的な内容に

プラスして身に付いたはずの講師の目線を

切り捨ててしまう態度です。


講師の目線は経験者の目線であり、

知れば効率的な学習の手がかりとなるだけではなく、

学びを多面的にすることができます。

「頑固であるから成績があがる」


A子さんはある面では頑固でもあります。


こだわりをもっていると言ってもいいでしょう。


素直さが大切、と書いたあとでは矛盾すると思われるかもしれません。


しかし矛盾はしません。


自分の知らないことを知ろうとするとき素直さは必要です。


しかし、自分が取り組む学習に対して、


あるいは、

自分が何かをできるようにするために取り組む訓練に対しては、

固さ、こだわりが必要です。

「自分で考える作業の中で学力は育つ」


講師や参考書の解説をなぞって解けば、

ひとまず答えは導けます。


ただ、解けたからよしとするのか、


どこか納得がいかないから

もう一度解説を聞こうと考えるか、


あるいはもう一度解いてみようと考えるか。

A子さんはまず自分で考えて、

解いてみて、

つまったら質問をします。


塾の宿題でやってみて、

納得できなかったらまた塾に同じ問題をもってきます。


指導を受けた後の、自分の頭を使って考え、

問題に取り組む作業が真に学力を育てます。


教えてもらうだけ

(そんな指導は出町アカデミーではしませんが)、

それでは学力はつきません。

「納得感を自信につなげて勉強を続ける」


この問題は理解した、という納得感が大切です。


この問題を自分は解けるようになっている、

と自信をもって試験に臨めるなら

余計な緊張をしなくてよくなります。

納得できた、問題が分かった、

さらには、問題を解けるようになった、

という達成感は喜びであり幸福感です。


(この喜びを得る楽しさを伝えることも講師としての仕事です。)


達成感という喜びは勉強に向かう原動力になります。


納得感、達成感を得ることに

こだわっているA子さんの勉強が順調に続くのは

当然のことだと思います。

「勉強も最後は体力勝負だからこそ、無理して体を壊してはいけない」


A子さんについて

心配していることも付け加えておきましょう。


体調管理についてです。

A子さんだけでなく、

試験前には本当に夜遅くまで

塾に残って学習をしてくれる生徒たちが

出町アカデミーにはいます。


早く帰れと思う日もあるくらいです(冗談です。)

中高生が試験前にやりがちなことではあるのですが、

睡眠を削って学習時間を作ることは

効果的ではありません。


また単純に体に悪いことでもあります。

学習は続けなければ意味がないのです。


受験は体力勝負とよく言われます。


体力勝負だからこそ、

体調管理に十分気を遣ってほしいと思います。

「体力を過信せず、長期的に受験に向かいましょう」


A子さんも体力はある方でしょう。


部活等で忙しい中、勉強時間を確保し、

眠気に耐えている姿も見ています。


体力がなければ続けられないことです。


体力は確かにある、

だからといって

持っている体力を過信してほしくはありません。


保護者様は、

お子様の若さからくる体力を過信してはいけません。

こだわって学習をする、

どうしても時間をかけてしまう、


それは良いのですが

受験までは年単位の計画に取り組まなくてはいけません。


短期的な努力のために体を壊しては意味がありません。

「無理はすべきではない。しかし自分を追い込み、やり抜く生徒は結果を出している」


無理はすべきでないし、

してほしくもないというのが私の立場です。

しかし、


自分に目標や課題を課し、追い込み、


見ている側が心配してしまうくらいに、


それを「やる」と決めている、


そして実際にやりぬいている。


そういう生徒が結果を出す、これは事実です。

こういう生徒のエネルギーには

講師が圧倒されるときさえあります。

「成績が良い生徒はなぜ良い成績をとれるのか」


素直であること。頑固であること。


決めたことを実行する体力があること。

学力がつくには理由があります。


成績があがるには理由があります。

具体的な勉強方法にも、

成績を上げるための工夫はたくさんあります。


しかし、どのように学んでいるかということも

また学習効果に大きな影響を与えるのです。

では、素直な子、

こだわって取り組める子になるようにするには

どうすればいいのか、

という問いに私の経験から言えることは

多くないように思います。


むしろそれは

A子さんのような生徒を育ててきた、

保護者様に私のほうこそ聞かねばならないことでしょう。


しかし、素直な子の成績を伸ばす、

学力をつける方法論をまっとうな塾なら持っているものです。

私にもあります。

伸びしろのある子に適切な学習環境を与えてあげれば自然と成績は上がります。

人の話を聞き、

時につらい訓練に耐えることができる。


そういう下地のある生徒であれば

成績が伸びないはずはありません。

もしお子様が素直であれば、

今成績が不振でも、

のびしろはあると考えてください。


こだわって取り組めるなら、

きっとやり方しだいで成績は伸ばせます。


受験を考えたときには、

長時間の勉強に耐えられる体力があるのなら

なおいいでしょう。

成績が伸びる下地、

理由となりうる要素があるなら、

あとは実際に勉強するだけです。


勉強の習慣がつく環境に身をおくだけで、

その子自身の力で学び、成長していきます。


ぜひ適切な環境を用意してあげてください。

 (文責:古川:2019年11月2日)


ではこの辺りで。

ご一読ありがとうございました。